ブラック・ブレット
突如、現れた異形の寄生生物「ガストレア」。
赤く輝く目と圧倒的な力、そして桁外れの再生能力を持つ彼らの侵攻に、人類はなす術もなく大敗を喫する。
国土の大半を失った現在、人類は彼らが唯一弱点とする金属「バラニウム」で作ったモノリスで囲われた、狭い「エリア」の中で、ガストレアの脅威に怯え、隠れながら生きることを余儀なくされていた。
そんな中、生き残りをかけた人類のささやかな抵抗として組織されたのが、
ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団「民間警備会社」通称、民警。
そのひとつ、天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎は、
相棒の少女・藍原延珠と共に、東京を壊滅に追い込まんとする、
危険な企みに巻き込まれてく一。
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- 第1話「最後の希望」
- 第2話「狂気の仮面」
- 第3話「運命の子供たち」
- 第4話「黒の銃弾」
- 第5話「紅黒の暗殺者」
- 第6話「トライジック・アイロニー」
- 第7話「静寂の月夜、夜明けの空」
- 第8話「境界線の石碑」
- 第9話「結界の守人」
- 第10話「東京エリア防衛線」
- 第11話「タウルスの心臓、光の槍」
- 第12話「クライシス・ポイント」
- 第13話「神を目指した者たち」
- 免責事項
第1話「最後の希望」
2031年、東京エリア。未知の生命体・ガストレアに受けた壊滅的被害から復興を遂げた人類は、未だその脅威に怯えながら暮らしていた。対ガストレア最後の砦である民警のひとりとして天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎は、ある事件現場で、仮面にタキシード姿の怪しい男・蛭子影胤と遭遇する。警官たちはおろか、蓮太郎すら歯牙にもかけぬ圧倒的な強さを発揮した彼は、『世界を滅ぼす者』と名乗り、姿を消す――。
第2話「狂気の仮面」
呼び出しを受け、社長の木更と共に防衛省へと向かった蓮太郎。そこには東京エリアの名立たる民警が居並んでいた。依頼主は、東京エリアの統治者たる聖天子。その内容は、感染源ガストレアの排除と、その体内に取り込まれたケースの回収という、奇妙なものだった。そこに、突然、現れた影胤。またも圧倒的な力を見せつけた彼は、自分もそのケース――東京エリアに『大絶滅』を引き起こす『七星の遺産』を狙っていると告げ……。
第3話「運命の子供たち」
ガストレアウイルスを保持する『呪われた子供たち』だと知られ、学校で孤立してしまった延珠は、悲しみも癒えぬ間に、感染源ガストレアの追跡を余儀なくされる。蓮太郎の目の前で、半ば自暴自棄に戦い、目標のガストレアを倒す延珠。しかし、ケースを手に入れたふたりの元に、またも影胤が現れる。『新人類創造計画』によって生み出された機械化兵士である影胤に一撃で無力化された蓮太郎は、なんとか延珠を逃がし――。
第4話「黒の銃弾」
29名もの民警たちをあっさりと返り討ちにした影胤と、再び対峙する蓮太郎と延珠。すべてを弾き返す絶対防御の盾として作られた影胤を前に、蓮太郎自らも真の姿――バラニウムの義肢と、超人的な攻撃力を持つ機械化兵士として立ち向かう。殺すために作られ、存在意義の証明のために闘争を望む影胤と、相容れない蓮太郎の激突。しかし、その激しい戦いの決着をあざ笑うかのように、ステージⅤのガストレアが、姿を現した――。
第5話「紅黒の暗殺者」
天童民間警備会社に、聖天子直々の依頼が入る。その内容は、彼女自身の護衛任務。気の進まない蓮太郎だったが、補佐官である菊之丞の不在の間に大阪エリア代表・斉武との会談があること、護衛官たちのとった奇妙な行動に、任務を受けることを決意する。聖居からの帰り道。柄の悪い男たちに絡まれている少女を助けた蓮太郎は、パジャマで歩き回っていた不思議な雰囲気の彼女――ティナに、すっかり懐かれてしまい……。
第6話「トライジック・アイロニー」
斉武との会談の帰路、何者かに狙撃された聖天子。単なる暗殺計画以上の何かを感じ取った蓮太郎は、未織の助けを借りて、狙撃犯の手がかりを探し始める。証拠物件が示したのは、相手が900メートルを越える場所からの狙撃を成功させる化け物だという事実。さらに蓮太郎は、暗殺計画の黒幕に目星をつけていた。一方、狙撃犯の元には、蓮太郎たち天童民間警備会社の情報が届けられ、木更に狙撃犯の魔の手が迫る――。
第7話「静寂の月夜、夜明けの空」
二度目の聖天子狙撃のあおりを受け、重傷を負った蓮太郎。護衛官たちの立てた警備情報は、狙撃犯に筒抜けだったのだ。狙撃犯――ティナを追った延珠は返り討ちにあい、深い眠りに落ちている。満身創痍で相手にしなくてはならないのは、IP序列98位のイニシエーターにして機械化兵士。菫からの情報で、その強さの「カラクリ」を知ってなお、蓮太郎は、ティナの前に立つ。己の、そしてティナの絶望的な運命に逆らうべく――!
第8話「境界線の石碑」
外周区で子供たちとの青空教室を楽しんでいた蓮太郎。そこに訪れた聖天子の口から聞かされたのは、モノリスが倒壊するという、信じ難い事実だった。バラニウムを侵食する力を持つステージⅣガストレア・アルデバラン。かつての大戦時にも猛威を振るったそれが、再び現れたのだ。聖天子の依頼で、東京エリアの命運をかけたガストレア迎撃作戦に参加することになった蓮太郎は、チームを組む仲間を探すために、ある民警を訪れる――。
第9話「結界の守人」
ついに始まったモノリスの白化現象。その倒壊と、続く『大絶滅』への恐怖に、東京エリアが混乱を極める中、三十二号モノリスの周辺に集結したガストレアに対して、民警たちが備えを固めていた。しかし、いまだペアの数をそろえられずにいた蓮太郎たちは、アジュバントとして認められないまま決戦を迎えようとしていた。殺気立った民警たちの間を縫って、共に戦う仲間を探す蓮太郎たち。そんな彼らの前で物騒な騒ぎが起きる……。
第10話「東京エリア防衛線」
アルデバラン率いるガストレアとの決戦を前に、外周区の青空教室で授業に臨む延珠たち。蓮太郎は、将来に想いを馳せながらも、迫る不安に沈んだ表情を見せる少女たちとともに、かつて人類が勝利を手にした地へと足を運ぶ。モノリス崩壊まで、あと三日。気の置けない商売敵と頼りになる兄弟子、自分に絶対の信頼を寄せる社長、それぞれのペアを迎え、自分のアジュバントを形にした蓮太郎。そして木更は、アルデバランに狙われたモノリス自体に疑惑を向ける彼に、胸に抱えた不安を明かす。その想いに、蓮太郎は――。
第11話「タウルスの心臓、光の槍」
爆破テロによって跡形もなくなってしまった青空教室。希望が、そしてモノリスが音を立てて崩れていく中、ついに自衛隊とガストレアが激突する。しかし、暗闇から民警の前線基地に現れたのは、ガストレアと化した自衛隊員たちの姿だった。蓮太郎たちが何とか挟撃を防いだものの、『光の槍』に薙ぎ払われる民警部隊。バラニウムの灰が空を覆い、太陽の恵みが失われた大地で、辛うじて生き残った者たちの戦いは続く――。
第12話「クライシス・ポイント」
命令違反の罪を免れる代償として、蓮太郎は単身、絶望的な戦力差を覆す起死回生の策に身を投じる。その策とは、不死身のアルデバランを守る長距離狙撃ガストレア・プレヤデスの撃滅。誰の助けもないガストレアとの孤独な戦いの中、傷つき倒れた彼を救ったのは、ほかならぬ宿敵だった。不本意ながらも彼の助けを得て、プレヤデスを倒した蓮太郎。しかし、延珠たちのもとに戻った彼を、予想以上の惨状が待っていた――。
第13話「神を目指した者たち」
影胤たちを迎え、ついに完成を見たアジュバント。そして、アルデバランを迎え撃つオペレーション『レイピア・スラスト』を決行すべく、かつて人類が勝利を手にした『回帰の炎』が最終決戦の地に選ばれる。小さな、しかし確かな希望と祈りを背中に受けて、戦いに臨む蓮太郎たち。仲間たちの助けを得て、巨大なガストレアと対峙した蓮太郎の拳は、その堅い外殻を突き破り、アルデバランへと『切り札』を叩き込む――!
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